読書記録 「11番目の取引」
グローバルフェスタJAPANの会場で、来場者の方から教えていただいた本『11番目の取引』を読みました。
主人公は、アフガニスタンから祖父とともにアメリカへ逃れてきた12歳のサミ。盗まれた祖父の大切な楽器ルバーブを買い戻すには、1か月以内に700ドルが必要です。サミは友だちの力を借りながら、物々交換を始めます。
楽器を取り戻すために重ねる11回の取引。その過程で、サミは友人に助けられ、地域の人々とのつながりを得ていきます。読み手もその歩みを追いながら、サミの過去や、笑顔の裏に隠された気持ちを少しずつ知っていきます。
両親との悲しい別れや、危険な航海の記憶も描かれます。なかでも心に残ったのは、アメリカの独立記念日を祝う花火が、テロの記憶を呼び起こす場面でした。
同じ音も、それまでの経験によって、まったく違って聞こえる。安全な場所にたどり着いた後も続く暮らしと、その人が抱えている記憶に思いを寄せました。
大切なものを取り戻そうと知恵を絞るサミと、その周りにいる人々。一つひとつの取引を通して、人との関係が育っていく様子が心に残る物語です。
鈴木出版の児童文学シリーズ〈この地球を生きる子どもたち〉の一冊で、小学校高学年からを対象としています。
読書週間に親子で読むのに適した本です。
『11番目の取引』
アリッサ・ホリングスワース/作
もりうちすみこ/訳
鈴木出版
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